あざらしのおうち

1歳と0歳の男の子ママが子育てで悩んだことや体験したことを紹介

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働く妊婦さんの強い味方!母性健康管理指導連絡事項カードの使い方は?実際にカードを利用して休んだ私の体験談

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こんにちは、あざらしです(=・ω・=)

 

 妊娠中は体調によっては、今までと同じような働き方はできなくなります。

「体調が悪いけど、妊娠は病気ではないし…」「仕事が休みづらい」

なんていう話もよく聞きます。

 

でも、1番大事なのは妊婦さんの健康です!

周囲に迷惑をかけてはいけないからと無理をするのは絶対にNGです。

 

「じゃあどうしたらいいの?」と悩んでいる方、「具合が悪くて仕事に行くのがつらい」という働く妊婦さんの負担を軽くするために活用できる、母性健康管理指導連絡事項カードをご存じですか?

今回は実際に妊娠中にこのカードを活用して仕事を休んだ私が、カードの効果や申請方法などを紹介します。

 

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母性健康管理指導連絡事項カードとは

 母性健康管理指導事項連絡カードは、妊婦さんの状況を医師が勤務先に伝えるためのツールです。

妊婦特有の症状を詳細に記録することができ、医師が妊婦さんの症状と措置を示すことで、勤務先に妊婦さんへの配慮を伝えます。

母性健康管理指導カードは、医師が発行する診断書と同じ効力があり、勤務先は、カードに書かれていることを守らなければならない義務があります。

 妊婦さんの健康状態を会社に客観的に伝えることができるので「自分では直接言いづらい」という方も、スムーズに伝えられるメリットがあります。

使用する際は、母子手帳に様式が記載されているのでコピーしたり、厚生労働省のホームページからダウンロードします。

 

母性健康管理指導カードの活用方法

 まず大事なのは、妊娠がわかったら、定期的に妊婦健診を受けることです。

医師が指導するため、普段から担当医との信頼関係を築いていきましょう。

 

カードの使い方は、以下の通りです。

  1. 産婦人科を受診し、健康状態を診断、医師から指導を受ける
  2. 措置が必要な場合は、医師に母性健康管理指導カードを記載してもらう
  3. 勤務先に母性健康管理指導カードを提出する
  4. 勤務先に適切な対応をとってもらう


 事業主は、医師からの指導があれば、それに基づいて適切な措置をとるように男女雇用機会均等法で定められています。

 

母子健康管理指導カードによる主な措置

 

妊娠中の通勤緩和

 妊娠中は通勤の満員電車がつらいという方も多いですよね。

そんな方には、時差出勤や通勤時間の短縮などで通勤の緩和を図ります。始業時間や終業時間に時差を設けたり、フレックスタイム制を採用することもできます。

 

妊娠中の勤務時間の変更や短縮

 休憩時間を長くしたり、休憩の回数を増やすなどして、勤務時間を短縮することで負担を軽減します。

法律では、休憩の回数などは定められていないので、職場と相談しながら決めます。残業、休日出勤、夜勤も免除されます。

 

負担の少ない業務への転換

 仕事の負担が大きい場合は、負担の少ない仕事に替えてもらいます。

外歩きの続く外勤や、長時間の立ち仕事のような、肉体的負担だけでなく、精神的負担の大きい仕事も含まれます。

 

作業環境の変更

 つわりの症状を改善するため、状況に応じた改善措置がとられます。

騒音が激しい場所や、換気が悪い場所での作業などから替えてもらうこともできます。

 

危険な作業の制限

 妊婦さんは、危険・有害な場所での作業はできません。

妊産婦が重い物を持ったり運んだり、腰に負担がかかる仕事、同じ姿勢が長時間続く作業なども制限されます。

 

休業措置

 妊娠悪阻や切迫流産、妊娠高血圧症候群など症状が重い場合は、改善するまで休業などの措置がとられます。

 

カードの発行に費用はかかるの?

 母性健康管理指導カードは、医師が発行する診断書と同じで費用がかかります。病院によって金額が違いますが、文書料としてだいたい1000円〜3000円になります。

 

申請すればいつでも対応してもらえる?

 母性健康管理指導カードは、いつでも利用できます。主治医から指導を受けたら、勤務先に申請して、カードを積極的に利用しましょう。

 

休業した場合の給料は?

 事業主の就業規定によって異なるので、勤務先に確認する必要があります。

休業期間によっては、傷病手当の対象になるケースもあります。

傷病手当は、病気やけがが原因で勤務ができず4日以上休んだ場合、健康保険から支給される手当です。

切迫流産や妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群など、入院や安静が必要だと医師に診断された場合に対象となります。

 

私の妊娠経過とカードを活用した時の話 

 長男を妊娠した時は、7年勤めた会社で正社員として働いていました。紙媒体の記者として働き、毎日車を運転して外に取材に行ったり、夕方は編集や校正作業のため仕事が終わる時間が決まっておらず不規則な生活でした。長時間、外で動き回ったり立ちっぱなしということも少なくありませんでした。

 妊娠初期の6週頃、出血が続いて切迫流産の兆候があると診断されました。その時は医師の指示と会社の配慮で有給を使って1週間休みました。出血が治まった後の妊婦健診で仕事環境について医師に話したところ、「できれば安定期に入って落ち着く20週まで休んでください」と言われました。20週というと妊娠5ヶ月です。さすがに長すぎるのでは?と思ったんですが、「休まないのであれば内勤の仕事に変えてもらって社内で安静に過ごしてください」という指示でした。

この時に、母性健康管理指導連絡事項カードについて紹介され、「会社に言いにくいようだったら、このカードで休業を指示することもできるのでいつでも言ってください」と言われました。いざとなったら、いつでも休むことができると思うと心強かったです。

 この時はカードは活用せず、自分の口で医師の話を会社に伝えました。会社側にも「20週まで休む必要があるの?」と驚かれてしまい、結局内勤の仕事に変更してもらい、帰る時間も午後6時と配慮してもらいました。

外での仕事がなくなり、業務時間も短くなったことで体への負担は減り、その後は切迫流産の症状は出ませんでした。ただ、今まで外で自由に行動していた分、慣れない内勤の仕事は精神的にストレスを感じることもありました。

 20週を過ぎる頃には、会社側から「安定期に入ったからもう大丈夫だよね?」という感じで、再び外での仕事するように打診されました。私も内勤の仕事よりも今までやってきた取材をしたい気持ちがあり、医師に相談したところ、「初期のような出血はないから無理のない範囲でならOK。ただし、また出血したり、体調が悪くなったらその時は仕事を休んでください」という話でした。

 しかし、実際に外の仕事を始めてみると、妊娠前と同じように動くのは難しいことがわかりました。だんだん目立ち始めたお腹を抱えて、車を運転し、長い時間仕事先にいます。ちょうど暑い夏の時期だったこともあり、炎天下の下での仕事で正直体調が優れない時もありました。仕事相手に心配されることも増え、徐々に仕事を続けるのがしんどくなってしまいました。

 そんな時、妊婦健診で尿蛋白の数値が高いことがわかりました。血圧は正常ですが、むくみがあり、妊娠高血圧症候群の症状が出ていました。「今すぐ入院というわけではないけれど、この状態が続くようだったら入院か自宅安静が必要」というのが医師の診断でした。その後も仕事は通常通り続けていましたが、健診で2回連続で尿淡泊の数値が高くなってしまった時、医師から再び入院をすすめられました。私は、血圧は高くないし、入院するほどじゃないんじゃないの?入院となると大変だし…と思っていたら、「他の医師も入院の判断をするかと言われたらそうじゃないかもしれない。でも、もし自分の奥さんが同じ症状だったとしたらすぐに仕事を辞めて安静にしてもらいたい。仕事と子どもどちらが大事か考えてみてください」と言われました。医師のこの言葉を重く受け止め、入院でも仕方ないと覚悟を決めました。

 そして医師と話し合った結果、仕事を休んでしばらく自宅安静で様子を見ることにしました。この時に母性健康管理指導連絡事項カードを活用して、「妊娠淡泊尿」の指導項目で休業措置を講じてもらいました。カードを上司に提出すると、「仕事を続けても悪化するだけだろうし、何かあっても会社は責任とれないから休んで療養しなさい」と重く受け止めてくれて、その日から仕事を休むことになりました。ちなみにこの時は26週で、産休までの間は傷病休暇を利用しました。

 当時は、産休まで仕事を続けられないことの申し訳なさがありましたが、仕事のことを考えなくてよくなることに正直ホッとしました。赤ちゃんのことだけに集中できる環境はありがたく、自宅療養をしたおかげでら次の妊婦健診では尿淡泊が改善されていました。食生活の改善やゆっくりと自宅で過ごした結果だと思います。医師と会社に感謝しています。

 

 職場への妊娠報告の仕方はこちらの記事でまとめています。 

www.azarashi-house.com

 

 

まとめ

母性健康管理指導カードは、まだまだ利用者が少ないようです。妊娠経過は10人の妊婦さんがいれば10通りあるはずです。

私は、妊娠高血圧症候群気味でしたが、血圧は正常で尿蛋白とむくみの症状でした。仕事を休んだ方がいいと言われても、自分自身がなんだか症状を重く受け止められず、休まなくてもいいならまだ働いた方がいいのでは?と思い、それは会社側も同じようでした。

そんな時、医師の指示が書かれたカードを活用したことで、自分でも休業することへの後ろめたさがなくなったと感じています。つわりや妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの症状がある場合は、無理せず少しでも心と体の負担を軽くするために母性健康管理指導カードを活用してください。

仕事を休んだり、周りの助けを借りながら、うまく乗り切って元気な赤ちゃんを産んでくださいね。